【ベガルタ仙台の映画を観ました】






【ベガルタ仙台の映画を観ました】
2017.2.5
今、ボロボロに泣いてるんですが、何の涙かよく分かりません。書けば、分かるかな。
昨年11月にNHK-BS1で放映のあった「”ベガルタ”〜サッカー、震災、そして希望〜」というドキュメンタリー映画、録画してあったものをようやく観ました。
数日前に、ツイッターに流れてきた、写真家・ノンフィクションライターの宇都宮徹壱さんのウェブマガジンの記事を読んだんです。

【無料記事】英国の撮影クルーは震災直後の仙台で何を見たのか? 『Football, Take Me Home 勇者たちの戦い』ダグラス・ハーコム(監督)&ベン・ティムレット(プロデューサー)(宇都宮徹壱ウェブマガジン)2017/02/02
http://www.targma.jp/tetsumaga/2017/02/02/post4725/


今年は2月11日〜17日に開催されるヨコハマフットボール映画祭で、ベガルタ仙台に関する映画が上映されるとのことで、その映画の監督とプロデューサーへのインタビュー記事でした。
ヨコハマフットボール映画祭は、その名の通り、サッカーに関する映画ばかりを集めた映画祭ですね。今は仙台や札幌など、日本の各地で開催されるようになりました。元々私は、ろう者の女子サッカー日本代表を取り上げた映画『アイ・コンタクト』をきっかけに映画祭の存在を知って、2013年には『フットボール・アンダーカバー 女子サッカーイスラム遠征記』というタイトルの、ドイツでサッカーをやっている女の子が、イランの女子サッカー代表のことを知って、イランの首都テヘランで史上初の女子代表チームの公式戦開催を目指すという、聞くだに無茶なドキュメンタリーを観に行きました笑。
話が逸れましたが、その宇都宮さんのウェブマガジンの記事の中でベガルタ仙台の映画のタイトルを見て、あれ、ベガルタ仙台に関する映画がまたできているのかな、と思いました。でも、記事内に掲載されているポスターの作品名と、記事の最後に、「NHKのBSでは津波のシーンなどがカットされて、50分ほどの作品にまとまっていましたが、今回はオリジナルの64分での上映となるとも聞いています」というインタビュアーの言葉が載っていたことで、私の持っている録画が、映画本編にNHKが編集を施したものであることが分かりました。
録画はしたものの、映画の全容が分かっていなくて、というか、ちゃんと観るのが怖かったのかもしれません。映画が英国で作られたものであることも分かっていなかった。でも、そのインタビューに導かれて、今なら観られるかもしれないと思っていました。

それが、突然クッキーがなくなったことでまたちょっと沈没しそうになり、その自分を立て直さねばと思っていたとき、またツイッターで、サッカーのアカウントの方に映画『この世界の片隅に』のすずさんのありがとう動画というものが流れてきました。
アニメーション好きな方たちを個別に多くフォローしている個人の方のアカウントでは、一時期TLがこの映画の賞賛ツイートであふれてしまうほどでした。信頼を置いている片渕須直監督の作品でもあり、いい作品に違いないと思いつつ、戦争の時期を扱った作品だということで、映画制作の資金を募るクラウドファンディングに参加できず。昨年、上映が始まってからも混んだ映画館に行けない状態なので、漫画の原作もダウンロード購入したのですが読めず。先入観ができるのが嫌で、TLも閲覧できなくなり(サッカーのアカウントとは全く別の理由で、ということです。本当に面倒な人間です、私)、今に至っていました。それがサッカーのアカウントのTLに流れてきたことで、なのでしょうか、その動画は観よう、と思いました。
初めて、主人公のすずさん(のんさん=能年玲奈さんが声を担当していることでもだいぶ話題になっていますね)が話すのを聞きました。バックに流れているのは映画のシーンらしい。その動画を観ている最中、私の頭の中で、「しんどいなら、うちに会いにきなんしゃったら」というすずさんの声が聞こえました。きっと方言とか、間違っているでしょう。広島の呉の方言など、聞いたことがないから。でも、頭の中で、確かにそう聞こえました。幻聴です。でも、私はその幻聴を信じました。すずさんに会いに行こうと思いました。
うちからそう遠くない映画館では、昨年末から公開されていて、だいぶ経っているので、きっと混んでないに違いない、と思って。スタジアムでの席と同じように笑、後ろが少し開いている端っこの席で観ました。隣、誰も座らなかった。
それで、映画を観終わって思ったんです。ああ、戦争の時代が、日本というこの国に確かにあって、今の日本はその続きであって、自分は戦争の時代を生き抜いた人たちの子孫なのだって。戦争にまつわる作品で、そういうことをダイレクトに感じた作品は初めてでした。
もう人生がおそらく半分は過ぎているはずの今、私の周りでも、いくつもの命が、いろいろな様で、なくなりました。それなのに、私はまだ生きている。生き残ってる。働くこともできず、命を受け継ぐこともせず、何の役にも立たない。それでも、まだ、生きるのだろうと思いました。なくなった命の記憶を持って。いつか来る終わりのときまで。

それが一昨日でした。
今なら、観られる。そう思って、今日、録画していたベガルタ仙台の映画を観ました。
2000年の発病以来、ろくにテレビのニュース映像を(特にリアルタイムでは)直視できない自分には、最初の方の震災の場面は、NHKがだいぶ編集を施したものであってもただしんどいものでしたが、2011年の開幕戦でのカントリーロードを聞いた途端に涙がどっと出てきました。それは選手入場のときのいつものカントリーロードに重なって、心が共鳴したのだと思います。一方で、仙台のサポーターの方が仰る「郷土愛」の話を聞いて、また涙が出てきました。東京の都心に生まれ育った自分には故郷はない、どこに行ってもよそ者で、私はこの郷土愛という感覚は、おそらく永遠に持つことができない、共鳴することができないのだろうと思ったからです。
映画が進んで、選手やサポーターの方々によるそれぞれの支援の形が描かれていました。サッカー選手にしかできない支援の形がある、と改めて思いました。被災地でのサッカー教室も、例えば子どもたちにサインやスパイクをプレゼントすることも、何より試合での活躍が。復興支援に限らず、個人的に今の世の中には、スポーツを通すことで初めて解決の可能性へと歩み出せる事態があると思っています。
作品では、さらにベガルタ仙台の2011年と2012年の活躍が描かれました。以前に表のブログかbbsだったかに書きましたが、たまたま真奈美さんが採り上げられたことで所持しているサッカーマガジンの2012年5月22日号は、特集が「仙台はもっと強くなる」というものだったんです。映画の最中に取り出して、その表紙を眺めました。ああ、仙台にとってこんな大事な時期に、この号は出ていたんだな。その頃は男子サッカーにはまったく関心を向ける余裕がなくて。仙台の活躍は、かすかに耳に入っていた程度でした。
私は、皆さんもご存知のように、真奈美さんにくっついてきて、2015年から仙台レディースの応援をするようになりました。それまでも、真奈美さんや女子サッカーの応援に関しても、現地に行ってもそこに座っている、もしくは祈ってるだけで、応援と言うにはほど遠く、当事者的な振る舞いもできず(外からはどのように映っていたか分かりませんが)、ただ目の前に立ち現れてくるもの・起こることを、体調に振り回されながら、ひたすら追いかけてこのHPを続けてきました。社会性の著しく落ちた自分にとっては、女子サッカーを通じて目に入ってくる社会の現象が、ようやく自分の中に受け入れられる社会的な要素だったのです。その状況は、今でもあまり大きくは変わっていませんが、真奈美さんの活躍と、周囲にいてくださる方々のあたたかい眼差しに自然と支えていただいて、少しずつ、少しずつ、目を開いても持ちこたえられる心の体力がついてきたように思います。
カントリーロードや、勝利のAURAを、最初は聞いて、そのうちに一緒に歌っていて、その瞬間、生きていることやそこに立ち会えていることが本当に嬉しいと感じるようになったのは、この世にサッカーがあって、日常的に試合を行う状況があって、Jリーグ、ベガルタ仙台というチームが存在し、そして真奈美さんがいてくれて、所属しているマイナビベガルタ仙台レディースというチームがあって、両チームを通じて、それを歌ってきたサポーターの方々がいらしてこそなのですよね。そのことにこの映画を観終わって、とても感謝して、また泣きました。
この映画を、ちゃんと受け止められた自信はないですが、この映画を作ってもらったこと、鑑賞できたことにも感謝しました。そして、自分は自分が生まれてから日本に起こってきたいくつもの震災にも、たまたま運良く直面せずに生き残った人間なのだとも思いました。生きる。まだ? まだ。
それで、冒頭の、最後は何がなんだか分からない涙になってしまいました。

東京の人間がいつまでも故郷を持てないように、私はこの先もずっと、区分されるなら障がい者という立場で、ただ社会の状況を外から眺めていることしかできないのかもしれません。そしていろいろな人もの状況に、助けて、もらうばかりなのかもしれない。それでも、一個人として目に映ったことをできるだけ拾って、感じたことを言葉にしていく。今の私には、それしか。
そのことで、ヘドロのようなものがべったりこびりついた心を、少しずつ掃除しているんだと思います。ここのところたくさん言葉を書いているのは、その作業を本格的に始めたせいかと。リーグが始まれば余裕がなくなって書かなくなると思いますが。。自分の視点しかない、掃除中の文章ばっかりで、本当にすみません。
ちょっと、しんどいですが、今年はリーグが始まる前にこれだけ気持ちの準備ができていることを、有り難いと思っています。